SCVeamer version 1.4
多変数函数論可視化特化型Beamer的HTMLスライドエディター
研究プロジェクト・共同開発・出典 2026年10月24日
研究と共同開発
研究プロジェクト
SCVeamer version 1.4 は、「多変数函数論可視化特化型Beamer的HTMLスライドエディター」です。複素解析幾何学・多変数函数論の可視化と直観形成に取り組む Project Holomorphonautica の一環として作成しました。
| 研究課題 | AI支援可視化による多変数函数論の幾何学的直観形成 |
|---|---|
| 研究事業 | 文部科学省 AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD) |
| 採択期間 | 2026年6月–2027年1月 |
| 研究代表 | 小池貴之(筑波大学数理物質系) |
| プロジェクトの愛称 | Project Holomorphonautica |
SCVeamer システム全体の共同開発
小池貴之と Kyoka Marui / 丸井 京香(東北大学)、Masakazu Takakura / 髙倉 真和(東京都立大学)、Ryo Uchimoto / 内本 諒(九州大学)との共同開発です。
この共同開発クレジットは、3つの対話UI、編集画面、変換エンジン、スライドプレイヤーを含むシステム全体に対するものです。
3つのゲームの共同構想
丸井 京香・髙倉 真和・内本 諒・小池 貴之による、複素解析幾何の3D VR可視化で何をどう観察し、何を理解したいかという議論から、「見る側の練習」を楽しいゲームにする発想が生まれました。Subharmonic?、Plurisubharmonic?、緑陰図 — Pseudoconvex? は、この共同構想に基づいています。
実装支援
ChatGPT(ちゃぴおくん)を、コーディング・文書作成の支援に使用しました。
同梱資料・ソフトウェア
数学本文はBeamerで組版し、PDFページをPNG化して、操作できる図と一つのHTMLにまとめます。日本語の編集画面・変換プログラム・スライドプレイヤーと、3種類の原稿見本を同梱しています。
resources/games/:対話UIと固定例カタログ。resources/player/:スライド送り・段階表示・図の操作・講師メモ用。- 集中講義1日目の出典・クレジット:講義ノート、緑陰図の歴史、講義用の例と静止図。
- テンプレートv2の出典・クレジット:固定例を選ぶ講義モードとテンプレート。
- 新規講演スターターのクレジット:6枚の日本語Beamer原稿と完成見本。
登録済みの固定例は194例(SH 106、PSH 34、緑陰図54)です。
利用するソフトウェア
| ソフトウェア | 役割・公式案内 |
|---|---|
| Python・Tkinter | 編集画面と変換処理。Python / Tkinter |
| pypdf 6.10.0 / pypdfium2 5.14.0 / Pillow 12.3.0 | PDFの情報抽出、PNG描画、配布PDFのページ選択。第三者の条件は THIRD_PARTY_NOTICES.txt と licenses/ を参照。 |
| TeX Live・Beamer・LuaTeX-ja等 | 利用者のTeX環境で、日本語と数式を組版します。TeX Live / Beamer / LuaTeX-ja |
| PyInstaller | 任意の実行ファイル化に使います。公式サイト |
このソース配布には、Python・pypdf・pypdfium2・Pillow・PyInstaller・TeX本体は含みません。各ソフトウェアの著作者・ライセンスは、それぞれの公式配布物に従います。対話UI内にある既存のクレジットも保持しています。
配色
blue は白地と青の見出し、緑のアクセントを使います。red は tkoike.com の見出し色 #9F166A を参照しています。yellow は元のBeamer / Metropolisの黄橙 #EB811B と濃い青緑 #23373B、背景 #FAFAFA を参照しています。
ご利用になる前に
SCVeamerは、利用者のPC上で実行する研究・教育用の試作ソフトウェアです。動作確認を行った環境と範囲、未確認の事項は、この配布版に対応する同梱の検証記録をご覧ください。すべての環境での動作、特定の目的への適合性、誤り・不具合やセキュリティ上の問題がないことを保証するものではありません。
初回準備では、必要なライブラリをインターネットから取得し、専用のPython環境を作成します。変換時には指定先のHTML・PDF等を生成・更新します。大切な原稿や既存の生成物をバックアップし、まずサンプルや原稿のコピーでお試しください。自作または信頼できるTeX原稿・PDF・プロジェクト設定をご利用ください。
講演や授業などで使用する前に、生成されたファイルの内容と、お使いの環境での表示・動作をご確認ください。
制作と確認の範囲
SCVeamerは、研究・教育のために開発した試作ソフトウェアです。数学的な構想、観察したい対象、表示や操作の方針を開発メンバーで検討し、コーディングには、ちゃぴおくん(ChatGPT)を活用しています。
表示や動作を確かめながら改良していますが、全ソースコードの網羅的なレビューや、専門家による包括的なセキュリティ監査を完了したものではありません。確認できていない不具合やセキュリティ上の問題が残っている可能性があります。実施した確認と、その範囲・限界、未確認の事項は、この配布版に対応する同梱の検証記録をご覧ください。
version 1.4試作版の確認内容は VALIDATION_1_4.txt、PDF処理方式の比較記録は VALIDATION_PDFIUM.txt にまとめています。旧 VALIDATION.txt と VALIDATION_1_2.txt は、過去の版についての記録です。
2026年10月24日、研究代表の小池 貴之が、提供されたversion 1.4試作版を自身のWindows 11のPCで実際に操作し、試した範囲では特に問題なく動作したことを確認しています。これは利用時の確認であり、すべての機能・環境を網羅した試験や、セキュリティ監査を行ったという意味ではありません。確認した操作の詳細や環境情報は網羅的に記録していません。
この利用確認と公開用文書の整備については、公開用の補足記録もご覧ください。使用した言語版や個別の操作項目は特定されていません。
保証とサポートについて
本ソフトウェアは現状のまま提供します。利用目的やお使いの環境に適しているかをご確認のうえ、ご利用ください。個別の環境への対応、不具合の修正・更新の提供やその時期をお約束するものではありません。
SCVeamerを作った背景と、これからの公開について
SCVeamerは、Project Holomorphonauticaの取り組みの中で、小池 貴之と丸井 京香・髙倉 真和・内本 諒が共同で開発した、研究・教育用の試作ソフトウェアです。構想や使い方を話し合い、コーディングには、ちゃぴおくん(ChatGPT)の支援を活用しています。
本ソフトウェアは、研究課題「AI支援可視化による多変数函数論の幾何学的直観形成」の一環として開発しています。この研究は、文部科学省 AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)の支援を受けて実施しています。研究期間は2026年6月–2027年1月、研究代表は小池 貴之(筑波大学数理物質系)です。
慣れたBeamerから、動かして見せられる発表へ
僕たちは、主に多変数函数論や複素解析幾何を研究しています。数学的な対象をグラフィックや3D・VRで眺めることが、どんな直観や理解につながるのか。そのためには何をどう見せ、見る側は何を観察すればよいのか。そんなことを考えながら、可視化やブラウザゲームを作ってきました。
その成果を講演で紹介しようとしたとき、普段使っているBeamerのスライドと、動かして見せたい図やゲームとを、どう自然につなぐかが課題になりました。
そこで考えたのが、「原稿は慣れたBeamerの環境で作りながら、発表する画面にはHTMLを使ってもよいのでは?」ということです。
Beamerで作ったPDFのスライドをHTML上で表示し、その間にブラウザで動く図やゲームを組み込む。普段の原稿作成の流れを生かしながら、変換操作によって、それらをひとつの発表画面につなぐ。この考えをちゃぴおくんに相談し、試作と改良を重ねてできたのがSCVeamerです。
version 1.4でのPDF処理方式の変更
SCVeamerの初期版では、PyMuPDFを使ってPDFの処理を実装し、Beamerのスライドとブラウザ上の図やゲームをつなぐ仕組みを作りました。初期の実装を支えたPyMuPDFと、その開発に携わる方々に感謝しています。
その後、ソフトウェアとしての公開と今後の再利用を考える中で、依存するソフトウェアのライセンス条件と配布方法を検討しました。自作コードと外部ライブラリの利用条件を整理し、僕たちの公開・配布方針を説明しやすくするため、その一環として、version 1.4試作版ではPDF処理をpypdf・pypdfium2/PDFium・Pillowによる構成へ変更しています。
通常のスライド画像はSVGからPNGへ変更しましたが、スライド送り、段階表示、ゲームの組み込みなどの使い方を保つ方針で実装し、比較確認を行いました。配布用PDFには、元PDFのページをベクターのまま残しています。画質・容量などの違いと確認の範囲は、同梱の検証記録をご覧ください。
採用した第三者ソフトウェアとそのライセンス表示は、配布物の THIRD_PARTY_NOTICES.txt と licenses/ にまとめています。SCVeamer独自のコードについての正式なライセンス表記・適用範囲は、下記の方針に従い、関係者への確認を経て整える予定です。
いろいろな人の工夫につながってほしい
SCVeamerは、まず僕たち自身の研究や講演で役立つように作った道具です。同じ分野の方に活用していただけたらうれしいですし、ほかの分野でも、それぞれの対象や伝えたいことに合わせた工夫につながればと思っています。
純粋数学の研究集会でも、直観を助け、理解を育てるグラフィックを、思いついた人が手軽に作り、気軽に講演へ組み込める。そんな発表の仕方が広がっていけばうれしいです。
そのために、SCVeamerを利用する人が、自分の研究や授業に合わせて改良し、さらに発展させやすい形で、公開の仕方を整えていきたいと考えています。この取り組みの考え方が、別の道具や新しい発表方法を作るきっかけになることも願っています。
ライセンスについての、現在の考え方
こうした考え方に沿って、SCVeamer独自のコードについては、MITライセンスを採用したいと考えています。
ソフトウェアという形で研究成果を公開することは、僕たちにとって新しい試みでもあります。正式なライセンス表記とその適用範囲は、大学の担当部署や共同開発者などの関係者に、権利関係を含めて確認したうえで整える予定です。
この文章は、開発の背景と、現時点での公開にあたっての考え方をお伝えするものです。MITライセンスの正式な適用を告知するものではありません。正式な利用条件とその対象範囲は、確認後に、このウェブサイトと配布物に明記します。
なお、外部ライブラリなど、第三者が提供するものには、それぞれのライセンス・利用条件が適用されます。
参考になったときには
SCVeamerを使った講演や、SCVeamerの考え方を参考に作った道具などを公開する際、どこかでProject HolomorphonauticaとSCVeamerをごく簡単に紹介していただけたらうれしいです。
たとえば、参考にした道具や取り組みとして、次のページへのリンクを添えていただく形でも十分です。
Project Holomorphonautica — SCVeamer
この紹介は、僕たちからの任意のお願いです。適用されるライセンスが求める著作権表示・許諾文などの保持とは別のものです。
この取り組みが、誰かの新しい工夫や、数学を見て考える楽しさにつながればうれしく思います。